海外のクラウドファンディングでよく聞く「Regulation A+(RegA+)」とは何のこと?

 

はじめに

 

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海外のクラウドファンディングの種類のひとつに、エクイティ・クラウドファンディング(Equity crowdfunding)というものがあります。

 

これは、株式発行で資金を集めるクラウドファンディングのことを指しています。

 

そしてそれに関連する法律が「Regulation A+(RegA+)」です。

 

「Regulation A+(RegA+)」は一言でいうと、「小規模の事業者でも特定の準備をすれば、(調達金額の上限はあるものの、)適格投資家(未公開のベンチャ・キャピタルやヘッジ ファンドなどリスクの高い商品にも投資を許された富裕層の投資家)以外の投資家にも株取引の勧誘やセールスを行うことができる法律」です。

 

Reg A+ に基づく株式発行によって、発行された株をある程度の制限付きで販売することが出来るようになります。

 

「Regulation A+(RegA+)」では、Tierと呼ばれる2つの異なる株式発行の種類(Tier 1とTier 2)があります。

 

今回は4つのポイントでまとめました。

 

1. Reg A+ Tier 1 株式とReg A+ Tier 2株式の概要

2. Tier1とTier2のメリット・デメリット

3. Reg A+ Tier 2株式から見る、Reg A+ Tier 1 株式との違い

4.Regulation A+(RegA+)のまとめ

 

それでは具体的な中身を見ていきましょう。

 

 

1. Reg A+ Tier 1 株式とReg A+ Tier 2株式の概要

 

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○Reg A+ Tier 1株式

 

・12ヶ月内に最大2千万ドル(約22億8千万円)までを調達したいときに使用

 

・発行株式の600万ドル(約7千万円)以下は、関係者の担保権利者に販売できる

 

・また関係者は、Reg A+発行株の内部シェア30%以上の売却はできない

 

・SECの1−A登録届出書が必要

 

・関係者以外は、SEC法144の下、1年後には持株を売却できる

 

・企業はSEC登録の証券名義書換代理人を利用しなくてはならない

 

・合衆国とカナダ国内のC株式会社、S株式会社、有限会社(REITsを含む) が対象

 

・PCAOB(公開企業会計監視委員会:アメリカにおける監査法人の監督機関)かGAAP(一般に公正妥当と認められた会計原則)による過去2年間の監査済財務諸表が必要

 

・ブルースカイ法(※後述)を遵守すること

 

・適格投資家とそうでない投資家の両方への勧誘、また両方からの投資が可能

 

 

○Reg A+ Tier 2株式

 

・12ヶ月以内に最大5千万ドル(約56億9千万円)までを調達したいときに使用

 

・1200万ドル以下(約1億4千万円)は、関係者の担保権利者に 販売できる

 

・また関係者は、Reg A+ 発行株の内部シェア30%以上の売却はできない

 

・SECの1−A登録届出書が必要

 

・関係者以外は、SEC法144の下、1年後には持株を売却できる

 

・企業はSEC登録の証券名義書換代理人を利用しなくてはならない

 

・合衆国とカナダ国内のC株式会社、S株式会社、有限会社(REITsを含む) が対象

 

・Tier 2の条件として、進行中の年間、半年ごとの報告が必須

 

・PCAOB(公開企業会計監視委員会:アメリカにおける監査法人の監督機関)かGAAP(一般に公正妥当と認められた会計原則)による過去2年間の監査済財政諸表が必要

 

・ブルースカイ法(※後述)を強制排除する

 

・適格投資家とそうでない投資家の両方への勧誘、また両方からの投資が可能

 

 

 

2. Tier1とTier2のメリット・デメリット

 

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○Tier1

 

・メリット

 

-調達の上限金額はReg A+が出来る前と比べると多い(2千万ドル)

(出来る前は500万ドル)

 

-簡易版フォームで株式発行できる

(本来はSECが定める必要書類を含む詳細な届出書が必要)

 

-ディスクロージャー要求も軽い

 

・デメリット

 

-面倒な証券登録を各州で個別に行う必要あり

 

 

○Tier2

 

・メリット

 

-調達上限金額はTier1と比べても倍以上の金額(5千万ドル)

 

-簡易版フォームで株式発行できる

(本来はSECが定める必要書類を含む詳細な届出書が必要)

 

-面倒な州ごとの証券登録は免除

 

 

・デメリット

 

-ディスクロージャーは、年2回が必須

 

 

3. Reg A+ Tier 2株式から見る、Reg A+ Tier 1 株式との違い

 

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○Tier2株式発行の最も重要な特徴

株式購入者へ提供・販売される証券へのブルースカイ法の強制排除です。

 

ブルースカイ法とは、米国各州政府が個別に定めた証券規制法の総称で、詐欺的な株式売買から一般投資家を保護するために制定されたものです。

 

ブルースカイ法を遵守するとなると、株式を発行したい場合、発行する州ごとに別々のやっかいな登録手続きをしなければならないことを意味しています。

 

Tier2 では、追加の報告(情報開示)を義務付けることでブルースカイ法の強制排除を行い、株式発行者にemail、ソーシャルメディア、テレマーケティング、テレビ放送を含むほとんどすべてのメディアを通して、あらゆる人への全般的な証券の勧誘と販売を可能にします。

 

一方でTier1は、追加の報告義務がない代わりに、州ごとの証券登録が求められます。

 

やっかいな手続きが多いTier1は、そういう部分でスタートアップ向きではないといえます。

 

 

4. Regulation A+(RegA+)のまとめ

 

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・株式型クラウドファンディングの大きな手助けとなる法律

 

・適切な手順を踏めば、株式発行によって広く一般投資家からも資金を集めることが可能

 

・Regulation A+(RegA+)の持つ株式のタイプには2種類あり、Tier2ではブルースカイ法を 排除することで、メディア全般を利用した株の広告・販売が可能になる

 

 

参考サイトはこちら。

 

Crowdfunding with Regulation A+

 

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