ソーシャルレンディングは初心者にも簡単

 

初心者が投資をあきらめる理由は、「投資には、まとまった資金が必要」という思い込みが最も多いようです。ソーシャルレンディングの最小投資額は、なんと1万円と少額です。
初心者でも、1万円なら始め安いですね。
初心者だけでなく、誰でも簡単に始められるソーシャルレンディングの安全度、特性を分析しましょう。

■ソーシャルレンディングとは

ソーシャルレンディングは、融資型クラウドファンディングに相当します。
ソーシャル(Social)とはインターネットを介したコミュニケーションの意味で、レンディング(Lending)は貸出のことです。
「お金を借りたい人」と「お金を貸して、増やしたい人」をウェブ上で結び、貸し手と借り手をマッチングしてくれるサービスです。

ソーシャルレンディングの運営会社は、個人の小口資金をウェブサイトを使って集めます。集まった資金を借り手に融資して、借り手からの返済利息をリターンとして、個人の投資家と運営会社が分け合う仕組みです。
計算式にすると、〈利回り=貸出金利-営業者報酬〉になります。
たとえば融資額に設定される貸出金利が18%の場合、ソーシャルレンディング運営会社が手数料として7%、残りの11%が利回りとして個人に分配されます。       

ソーシャルレンディグ事業者は高い収益性が見込めるプロジェクトを中心に、ファンドを設定します。不動産、新興国企業への融資、再生可能エネルギーなどが、ソーシャルレンディングの主な対象となっています。

■ソーシャルレンディングの発祥

2005年にイギリスのZOPAが、インターネットを使った個人間での小口の融資サービス(マーケット型)を開始し、これがソーシャルレンディングの発祥とされています。2006年に米国のProsper(オークション型)、2007年にLending Club(オークション型)と広がって行きました。
米国の2011年の市場規模は5億ドル、2015年は227億ドル(2.5兆円)と急拡大し、現在も大規模な市場として成り立っています。

■ソーシャルレンディングの日本での歴史

日本では2008年にmaneo(オークション型)が、最初にサービスの提供を始めたといわれています。2009年AQUSH(マーケット型)、2011年SBIソーシャルレンディング(マーケット型)、2013年クラウドバンク(匿名組合契約型)、2014年ラッキーバンク(匿名組合契約型)、2015年トラストファイナンス(匿名組合契約型)が参入しました。

ソーシャルレンディングは国ごとの特性により、成長する地盤が異っています。欧米で中心となっているのはP2Pと略される個人間の融資、中国は企業、日本は不動産です。

■ソーシャルレンディングの日本市場の規模

日本で急成長したのは、2008年のmaneoの開始から8年後の2016年です。前年の2015年は10社であった事業者が2倍の20社に増え、さらに翌年の2017年には市場規模も1000億円を突破しました。

急成長を遂げたといっても、日本のソーシャルレンディングの市場規模はアメリカの20分の1以下です。アメリカの2015年の市場規模は227億ドル(約2.5兆円)で、日本は2017年でも1,316億円です。

アメリカ、イギリス、中国などのソーシャルレンディング市場は、日本とは比較にならないほどの規模を誇っています。今も拡大を続けているといわれる海外市場に伴い、これからの日本のソーシャルレンディングの市場も、十分に成長が見込めるという見方が大勢となっています。

〈日本の市場規模の変遷〉
2014年:    143億円
2015年:    310億円
2016年:    533億円
2017年: 1,316億円

〈アメリカの市場規模の変遷〉
2011年:      5億ドル
2012年:    15億ドル
2013年:    41億ドル
2014年:  106億ドル
2015年:  227億ドル
              〈参照:クラウドポート〉

■初心者のための、ソーシャルレンディング6つのメリット

小額から始められて、初心者でもコツコツマイペースで取り組めるソーシャルレンディングですが、どんな投資方法にもメリットとデメリットがあります。
メリットやデメリットをしっかり掴んでおくことが、初めての投資を成功に導きます。

①高い利回り

ソーシャルレンディングの利回りは平均8%で、初心者にとって魅力的な高さです。ゼロ金利時代といわれて久しいですが、低金利の国債や定期預金などと比べると高い水準です。
1年間のリターンを元本に合算して、次年度に再投資する複利を行えば、10年以内には元本がおよそ2倍になる計算になります。

〈高い利回りを実現できる理由〉

これは「貸出の金利が、投資家への利回りよりも更に高く設定されている」、という一言に尽きます。平均で、9〜15%程度であることが多いようです。

何故、これほど高い金利が設定できるのでしょうか?

ソーシャルレンディングの事業者は返済の確実性が確認できれば、企業の継続年数、融資期間の短さ、資金の使途などの対応には柔軟です。
銀行の審査基準が厳しくなったため、健全な財務であっても融資を受けられない、また銀行融資だけでは資金が足りないという企業は、実は多いのです。
ソーシャルレンディングは、これらの企業の受け皿となっています。そのため借り手の企業に、高い貸出金利が設定できています。

②日々のストレスがない

ソーシャルレンディングは投資した元本の価格の変動がないので、株式やFXのトレードのように「初心者で毎日パソコンを見続けたから、疲労した」というようなストレスがありません。
初心者でも、投資を始めるまでに事業者の信用度などをしっかり調査把握しておけば、投資をした後は満期を待つだけです。元本が運用されている間は、何もしなくていいのです。
運用期間が終わって満期になれば、契約された利回りが分配されます。

③高い安全性

ソーシャルレンディングの日本の大手事業所5社の貸し倒れ率を、過去3年間で見てみましょう。2018年1月25日現在のクラウドポート調べでは、「1.47%という比較的安全性が高いといえる商品である」という結果が出ています。

2011年までのソーシャルレンディングの主流は、「個人と個人の資金の貸し借り」でした。そのため貸倒れ率は、約10%と高かったのです。
近年のソーシャルレンディングは「個人が企業に資金を貸す」という、不動産等の担保の取れる企業への融資が中心になっています。
不動産担保があることで、万が一貸し倒れが起きたとしても、初心者でも損失を軽減することができます。

④初心者と経験者の利益率が変わらない

同じ企業に同額の投資をした場合、初心者でも熟練投資家でも成績は同じです。ソーシャルレンディングには、株式投資やFXなどに見られる日々の急激な価格の変動がありません。
初心者が心配しなくても、経験や時間、テクニック等は不要なのです。

⑤少額投資ができる

サービスにより様々ですが、1万円くらいから投資ができるソーシャルレンディング事業社もあります。少額の投資なら、失敗してもダメージも少なく済みます。「投資の練習」「初めての投資」として、チャレンジもできますね。

⑥短期運用が可能

ソーシャルレンディングは多くの場合、運用期間が3カ月から1年程度に設定されています。短期での運用は、貸し倒れリスクを軽減したり、複利での運用を有利にします。

■初心者のための、ソーシャルレンディング6つのデメリット

安全性も利回りも高く、楽に投資ができるソーシャルレンディングですが、「長所は短所でもある」といわれるように、ソーシャルレンディングにもメリットの数だけデメリットがあります。

①レバレッジをかけられない

レバレッジをかけられる投資は、資金を数倍にもできます。株式投資やFXなどが、これに当たります。
ソーシャルレンディングでは、利回りが高いといっても13%ほどです。
コツコツと運用し、年月を重ねて利益を膨らませていくという、初心者でも取り組める投資商品であるのです。

②借り手企業のデフォルトリスク

6~10%以上という高い利回りの金融商品では、貸し倒れが懸念されます。初心者が安全に資産運用するために、少なくても3つのルールを守りましょう。

・信頼できるソーシャルレンディング会社を選び、不動産担保付きや保証がついた案件に投資。

・分散投資をしてデフォルトのリスクを分散させ、万が一の時の損失を最小限に抑える。

・金利が高く、期間が長くなればなるほど、企業の貸し倒れのリスクも高くなることを警戒。

③低い流動性 

投資した資金は、原則として満期を迎えるまで引き出すことはできません。融資を受けた借り手が、返済の遅延を起こしても同様です。投資期間中の、途中解約もできません。
ソーシャルレンディングは、余裕資金で投資しましょう。

④口座管理がしづらい

口座を1つ開設したからといって、他の事業者への投資はできません。
口座は1事業者に1つなので、投資したい事業者の数だけ口座を開設しなければなりません。

⑤ソーシャルレンディング最大リスク「投資先の貸し倒れ」

業績が悪化するなどして、返済が不可能になるのです。投資先の貸し倒れが起こると、元本が被害を受ける可能性が出てきます。
事業者の多くは対策として、投資先との間で担保と保証についての契約を結んでいます。
初心者に限らず、この契約内容をしっかりと確認してから、投資を行いましょう。

⑥延滞や運用期間の延長

借り手が返済日の延長を希望した場合、ソーシャルレンディングでは運用期間が延長されます。貸し手としては満了日が伸びるので、投資計画が狂ってしまいます。
ソーシャルレンディングではこのような運用期間の変更は度々発生しますので、十分に理解した上で投資しましょう。

■初心者のための、ソーシャルレンディング注意点

ソーシャルレンディングならではの、特に注意しなければならないことがあります。それは運営会社自体の、倒産です。

〈デフォルトリスク〉

日本でのソーシャルレンディングの歴史は浅いので、継続年数も数年という運営事業者も多いのが現状です。
大小の規模にかかわらず、運営事業者の中には経営状態に懸念のある企業も含まれています。ソーシャルレンディングの運営事業者が倒産した場合は、投資家の預けた資金が戻ってこない可能性もあります。
初心者でもソーシャルレンディングの投資を行う前には、運営事業者の財務状況や投資プロジェクトの内容などを十分に調べておきましょう。

■初心者のための、ソーシャルレンディング2つのコツ

どんな投資法にも推奨されている有効なコツは、「分散」と「複利」です。これはソーシャルレンディングにも当てはまります。初心者が自己資金の保全や利益を高めるために、チェックしておきましょう。

①分散投資

大きなリターンを狙って一つの投資先に資金の全てを投入すると、万が一が起こった場合は元手の全てを失うことになりかねません。どんなリスクが発生しても、投資額が少額であればあるほど損害も少なくて済みます。
投資資金を減らすことは、リスクを減らすことでもあります。初心者でも、運営事業者・投資プロジェクト・投資資金の確実な分散がおすすめです。

1万円ほどから始めるソーシャルレンディングもあるので、資金を守る王道として語られる「分散投資」は、ソーシャルレンディングで実行し易い投資のコツです。1件ごとの利益は少ないですが、全体の投資件数を増やすことで、ある程度のカバーが可能です。

②複利の運用

ソーシャルレンディングの運用で得た利益を、元本と合わせて再投資することが複利の運用です。利益が利益を生む複利の運用は、初心者のコツコツ型のソーシャルレンディングでは特に効果を発揮します。
ソーシャルレンディングで利回り8%で複利運用した場合、9年で元本の2倍になると想定されます。

投資期間3か月、利益の1円までを元本に合算できるファンドもあります。短期間の投資は、借り手のデフォルトや延滞といったリスク回避にも貢献します。
ソーシャルレンディングの複利の運用は、初心者のリスクを管理し、利益を最大化します。

■ソーシャルレンディング事業者の一覧

2018年7月時点で25社が、日本国内で営業するソーシャルレンディング事業者です。不動産融資を対象とした事業者が多いですが、数の増加と共に融資のジャンルも増えてきました。
初心者のソーシャルレンディング投資では、事業者の選定がリスク管理において重要な部分です。HPで確認するだけでなく、疑問は直接問い合わせるなどして、納得できるまで丁寧に調べましょう。

1:オーナーズブック

https://www.ownersbook.jp/
2014年9月;サービス開始(業界初の不動産特化型)
運営はロードスターキャピタル(2017年マザーズ上場)

2:TATERU FUNDIN(旧:インベスターズクラウド社)

https://www.crowdport.jp/news/776/
2016年4月;サービス開始(不動産特化型)
運営は東証1部上場企業のTATERU社

3:SBIソーシャルレンディング

https://www.sbi-sociallending.jp/
2011年3月;サービス開始
SBIグループの100%小会社

4:SAMURAI(旧スマートエクイティ)

https://samurai-crowd.com/
2015年5月;サービス開始 (買い取り債券をファンド化)
運営は第1種金融商品取引業者(証券会社)SAMURAI証券株式会社(旧AIP証券株式会社)

5:クラウドバンク

https://crowdbank.jp/
2013年10月:サービス開始 (多様な案件が特徴)
ソーシャルレンディング業界初の証券会社

6:maneo(マネオ)

https://www.maneo.jp/
2008年10月;日本で初めてソーシャルレンディングサービスを開始(業界最大手)
株主;GMOクリックホールディングス、VOYAGE VENTURES、SMBCベンチャーキャピタルなど
プラットフォームとして、他社ファンドの募集取扱いも行う

7:クラウドクレジット

https://crowdcredit.jp/
2014年6月;サービス開始(新興国の小口債権が中心)
国内で唯一、円・ドル・ユーロ・ルーブルの通貨で運用可能

8:LCレンディング

https://www.lclending.jp/
2015年7月;サービス開始(新興国の小口債権が中心)
JASDAQ上場企業のロジコムグループ100%子会社
元本と利息を保証する「ロジコム保証付きファンド」が人気

9:ガイアファンディング

https://www.gaiafunding.jp/
2015年10月;サービス開始(全案件不動産担保付)
※ほとんど全てのファンドで返済遅延(2018年11月22日時点)

10:トラストレンディング

2015年11月;サービス開始(不動産や金融債権を担保としたファンドが中心)
2018年12月14日、トラストレンディングを運営するエーアイトラスト株式会社に行政処分

11:ジェイ・レンディング

https://www.sociallending.jalco.co.jp/trade/home/toppage.do
株式会社ジャルコ (JASDAQ上場のJALCOホールディングスのグループ会社) が運営
最低投資額50万円、1案件で1億円以上の募集などが特徴

12:クラウドリース

https://www.crowdlease.jp/
2016年2月;サービス開始(店舗ビジネスに特化)

13:スマートレンド

https://www.smartlend.jp/
2016年4月;サービス開始(店舗ビジネスに特化)
公認会計士・税理士事務所などのプロフェッショナルネットワークと連携し、融資案件をソーシング

14:アメリカンファンディング

https://www.americanfunding.jp/
2016年7月;サービス開始(全案件不動産担保付)
アメリカの不動産投資案件に特化
募集取り扱いはmaneoマーケットから

15:クラウドリアルティ

https://www.crowd-realty.com/
国内と国外の不動産案件に特化
2017年11月に資金調達

16:さくらソーシャルレンディング

https://www.sociallending.co.jp/
地方の案件を提供資産運用と地方への社会貢献が可能

17:キャッシュフローファイナンス

https://www.cf-finance.jp/regist/LenderRegistPage1
国内不動産および事業性資金ファンド
「コインランドリーファンド」の利回りは9%超

18:アップルバンク

https://www.applebank.jp/regist/LenderRegistPage1
国内の不動産、事業性資金ファンド
給与前払いファンドを募集

19:レンデックス

https://lendex.jp/
2017年;サービス開始(不動産案件に特化)平均利回り10%

20:ポケットファンディング

https://pocket-funding.jp/
沖縄県のソーシャルレンディング事業者(原則担保付)
地元の沖縄で、経済発展をしている地域の不動産が中心   

21:プレリートファンド

https://www.prereitfund.co.jp/
REIT(不動産投資信託)の前段階の不動産案件に特化
不動産の詳細な情報を開示

22:ネクストシフトファンド

https://nextshiftfund.jp/
2018年3月;サービス開始(社会的インパクト投資がコンセプト)
鳥取が拠点(海外のマイクロファイナンス案件に特化)

23:グリーンインフラレンディング

再生可能エネルギーファンドに特化
平均利回りは12%以上
2018年7月13日、行政処分

24:ラッキーバンク

2014年11月;サービス開始(不動産に特化)
2019年3月14日;関東財務局により第二種金融商品取引業の登録取り消し処分

25:みんなのクレジット

2016年4月;サービス開始
※業務停止中(2017年11月時点)

まとめ

初心者がソーシャルレンディング投資に成功するためには、「リスク管理を行うこと」と「利益を最大化」することがポイントです。
自分の信頼できる事業者やファンドを見つけることが、成功への第一歩と言えるでしょう。